2025年度 理事長所信

同心協力

~巻き起こせ、新たな風~

一般社団法人三島青年会議所

第64第理事長 押尾 直樹

 

「はじめに」

 三島青年会議所は、長年にわたり三島市及びその周辺地域において、課題解決に貢献する

 運動を展開してきました。その歩みは決して平坦なものではなく、多くの困難があったことと思います。先輩諸兄姉は「明るい豊かな社会の実現」という壮大で不変な理念に基づき、挑戦を続けてきました。青年がまちづくりの場で学び、地域課題の解決に取り組み続けることは、三島青年会議所の存在意義そのものであり、今後もその使命を果たし続ける必要があります。現代は、リモートワーク等の IT化、労働人口の減少による技能実習生の受け入れ、企業のグローバル化など、ダイバーシティが推進されています。この変化は、働き方や、ライフスタイルの多様化に繋がり、様々な視点や考え方を受け入れる柔軟性が求められています。三島青年会議所は、地域の未来を担う者としてリーダーシップを発揮し、JC 宣言に掲げる持続可能なまちづくりの実現を、メンバー一人ひとりが自身の役割を自覚し、高い参画意識を持ちながら目指すことで、先輩諸兄姉が築いた基盤を大切に守りつつ、地域社会に新たな風を巻き起こす存在となります。これからも私たちは、仲間と力を合わせ、地域の発展と共に成長し、「明るい豊かな社会の実現」という未来を共に描いていく決意を新たに邁進してまいります。

 

 「協力で生まれる組織の力」全委員会統一事項

三島青年会議所は、各委員会の活発な取り組みを通じて、その真の価値を発揮し、人々を魅了する運動を展開することができます。その実現には、メンバー一人ひとりが知恵や個性を活かし、高い参画意識を持ちながら活動することが必要です。私が委員長を務めていた時、急な不幸で事業当日に参加できなかった際、メンバーの一人が「僕たちに任せてください」と力強く言ってくれました。それは、この事業の計画段階から議論を重ね皆で作り上げた事業だったからだと考えます。参画意識を高める環境が、他者を巻き込む力を育む重要な場であることを実感させられました。私たちの行動綱領である「JC 三信条」の「修練」「奉仕」「友情」は、青年会議所設立以来脈々と受け継がれてきました。中でも「修練」は自己啓発を意味し、私たちの活動の基盤であり第一歩です。この「修練」を通じて得られる力は、自己成長に留まらず、その姿が他者に共感を生み、仲間を巻き込み共に成果を上げるための原動力となります。「修練なくして奉仕なし、奉仕なくして友情なし」という教えを通じて、私たちは率先して参画する姿勢の重要性を学んできました。この姿勢が組織全体の一体感を生み出し、共通の目標に向かう推進力となります。そして、この推進力をより一層強化するためには、全てのメンバーが主体的に関わり、全員が力を合わせることが必要です。三島青年会議所は昨年、全員拡大を第一の目標に掲げ拡大活動を行い、会員数を純増させました。会員拡大を進める中で、多様な価値観を持つ新しい仲間を受け入れることは、私たちの組織をさらに成長させました。このことから、全員拡大の意識を絶やすことなく継続していく事

が不可欠です。私たちがこの歩みを続ける限り、三島青年会議所の組織基盤は揺るぎないものとなります。

 

「伝統の継承と進化する組織づくり」

働き方や日々の暮らしが刻一刻と変化していく現代において、「ワークライフバランス」という言葉が注目されています。プライベート、仕事、そして青年会議所活動を充実させるためには、限られた時間を有効活用し、全てにおいて質の高い成果を追求することが求められます。総務・財務に関する業務は、どのような組織においても中心的な役割を担う重要な存在です。そこで、三島青年会議所では、私たちの運動の基盤となる会議体を支える委員会として、メンバーが意見を交わしやすい環境を整え、情報を身近に感じられる仕組みを築きます。これにより、より活発で創造的な議論が行われ、メンバー同士のコミュニケーションが一層円滑になり、一人ひとりの参画意識が向上し、三島青年会議所はさらなる成長を遂げることができます。そして、100名を目指す組織として、先輩方から受け継いだ基盤を活かしながら、時代に即した効果的で効率的な仕組みへとアップデートを進めてまいります。また、三島青年会議所の未来を描く中長期ビジョンの策定から本年度で 5 年が経過し、この間の活動は新たな挑戦と学びの連続でした。新型コロナウイルス感染症による影響を乗り越え、限られた条件の中で工夫を凝らして会議や事業を実施してきたことは、組織の可能性を広げる大きな機会となりました。これまでの経験を振り返り、未来に向けたロードマップをさらに実効性の高いものに進化させるため、次代のリーダーたちの意見を積極的に取り入れてまいります。「英知」「勇気」「情熱」という青年としての精神を胸に、良き伝統を大切にしながらも、常に新しい挑戦に取り組む三島青年会議所が、これからも地域と共に成長し、未来に希望を届ける組織運営を展開してまいります。

 

「未来を生き抜く人づくり」

子どもたちは、情報化社会の中で多くの知識を簡単に得られる環境で育っています。しかし、地域社会との関わりや直接的な体験を通じた学びの機会が減少していることが懸念されています。子どもたちが実際に地域社会と触れ合い、そこから得られる体験を通じて、自ら考え、行動し、他者と協力する力といった「生きる力」を養うことが必要です。単なる知識の習得にとどまらず、実体験を通して、幸せに生きるために必要なことを学ぶ力が、未来を切り開く鍵となります。三島青年会議所は、学校では得られない体験の場を提供し、子どもたちの自主性を育む機会を創出します。また、子どもたちの体力低下が進んでいることが一つの大きな問題となっており、運動習慣を持たない子どもが増加しています。このままで__は、身体的な健康だけでなく、スポーツを70 通してでしか得られない挑戦する力や、困難を乗り越える力を育む機会が減少してしまいます。三島青年会議所が、継続事業として開催して

72 いるわんぱく相撲を通じた挑戦の場は、子どもたちが体力を鍛えるだけでなく、自分の限界に挑み、困難を乗り越える経験を得る機会です。わんぱく相撲における「勇気」「礼節」「感謝」の精神を学ぶ中で、相手を尊重し、自らの行動に責任を持つ姿勢が培われます。また、土俵の上で全力を尽くして戦うことで、挑戦することの意義や達成感を学び、それらが自己肯定感を醸成します。地域社会とのつながりの中で得られる豊かな実体験が、子どもたちの成長を支え、変化し続ける社会で自信を持って生き抜く力を育む運動を展開してまいります。

 

「共に未来を創る仲間づくり」

青年会議所は、2040 歳という限られた活動期間があるため、必然的に新陳代謝が起こる組織です。その短い期間の中で、各メンバーは地域への想いを込めて活動し、自らも成長していきます。その結果、生まれた想いは次世代へと受け継がれ、伝統として継承されます。この連鎖が、世代を超えた一生の仲間との出会いを生み出すのです。では、人はどのような場に集まるのでしょうか。それは、「楽しい」や「好き」と感じられる場であると私は考えます。活動の楽しさに魅力を感じたメンバーが事業に参画することで、その中で価値を見出し、やがては「愉しい」と心から感じてもらえるようになることが重要です。これこそが、メンバー一人ひとりの成長と組織の発展につながる原動力となります。私たちは、友情の連 鎖を途絶えさせないために、まずメンバー同士の交流を重視します。交流を通じて互いを深 く理解し合うことで、強い絆と信頼の基盤が形成されます。この信頼を基に、メンバーが積 極的に意見を交換し、新たなアイデアを生み出すことで、組織全体が活性化します。そして、 こうした積極的な交流と新しい風が、未来を支えるより確かな基盤を築いていくのです。さ らに、会員数の減少や在籍期間の短期化は、会議所として多様な意見を得にくく、組織の弱 体化を招く恐れがあり、青年会議所全体の大きな課題です。三島青年会議所は昨年、会員数 を純増させましたが、会員の減少は、依然として大きな課題の一つとして捉えるべきです。 私たちは、愉しいと感じる組織をより多くの人に伝え、多様な人財の絆をつくる場として、 100 名規模の組織を目指します。また、東部 9LOM が地域の発展と組織の成長を実現するために、会員拡大という共通課題に真摯に取り組むことが重要です。地域の若者を積極的に巻き込み、新たな視点やエネルギーを取り入れることで、組織の活力を高め、地域への影響力を強化します。私たち青年世代が、多様な仲間と手を取り合い、共感をもって活動に取り組む「仲間づくり」を展開してまいります。

 

「地域のためのまちづくり」

三島市周辺地域は、長い歴史と豊かな自然に恵まれた地域です。この地域は古くから水資 源に恵まれた土地として発展し、多くの人々に愛されてきました。地域で開催される事業や資源の活用は、先輩諸兄姉が立ち上げた運動106 を契機として始まり、今もなお、地域の皆様の尽力によって受け継がれています。それは、私たちが地域と向き合い、真摯にまちを想い取り組んできたからです。近年、三島市周辺地域は「伊豆の玄関口」としての役割を一層強め、交通インフラの整備や都市機能の発展により、多くの観光客や移住者を迎え入れる地域へと進化しています。さらに、富士山、箱根、伊豆を結ぶハブとして、インバウンド需要の拡大が期待されています。一方で、観光だけでなく、地域に関わる人々が移住や二拠点居住を通じて関係人口としてつながりを深めることで、「まち」に活気をもたらします。私たちは、地域の豊かな伝統や資源を大切にしつつ、時代の変化に対応した取り組みを進めていくことが求められています。そのためには、地域が抱える課題を調査・研究し、解決に向けた具体的な運動を展開することが必要です。また、地域を訪れる人々や、関係人口を含む三島市周辺地域の発展を願う方々と協働することで、地域の未来をより良いものへと育んでいくことができます。また、私たちは「まちづくり」の団体として、一人ひとりがまちに対する考えを持ち、想いを語る場の提供が大切です。私たち青年が、この変革の時期にこそ地域に寄り添い、地域の未来を共創していくための行動を起こし、より良い「まち」へと進化する運動を展開してまいります。

 

「おわりに」

 

私は、入会してからの活動を通じて、ある一曲の歌詞を思い起こしました。それは、学生時代に熱中していたアーティスト 19の「すべてへ」という曲の一節で、「風が吹かないそんな場所でも、ぼくたちが走るなら感じることが出来る。吹くだろう風、なんて待つなよ、無いものをなげくよりつくればいい風だって」というフレーズです。この歌詞を改めて思い返したとき、私たちが創り上げるべき運動とは、誰かに任せるのではなく、私たち自身が常に変化する地域課題に向き合い、その解決に向けて自ら行動を起こすことが、JAYCEE としての使命であると確信しました。私は接客業を営んでおり、移住者であることから知り合いは多くいましたが、仲間と呼べる存在は決して多くありませんでした。私の青年会議所での活動は、「1 年間すべての活動に参加します」と宣言したことから始まりました。皆さんの前で宣言した以上、実行しなければならないと決意し、その軽い決断が私の人生における変革の起点となりました。積極的な活動参加を続ける中で、苦楽を共にする「仲間」と出会うことができました。その過程で、多くの仲間に支えられ、やがて青年会議所での活動は私の生活の一部となりました。その時に私が仲間たちに抱いた感情は、これまでに感じたことのないほど大きな感謝でした。この感謝の気持ちを、三島青年会議所に恩返しするため、私は大きな覚悟を決めました。それは、自ら主体的に行動し、先頭に立って同志を導くことです。私たちの使命は、63 年にわたり継承されてきた先輩諸兄姉の想いと伝統を守りながら、三島市周辺地域を「明るい豊かな社会」の実現へと導くことです。しかし、私が考える継承とは、ただ受け継ぐだけではなく、常により良いモノに「進化」し続けることだと考えます。この使命を全うするため、一人ひとりが高い参画意識を持って活動し、共に新たな風を巻き起こしてまいりましょう。